第1条
この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一
「放射線」とは、原子力基本法(昭和三十年法律第186号)第3条第5号に規定する放射線又は一メガ電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線若しくはエックス線であって、自然放射線以外のものをいう。
二
「管理区域」とは、核燃料物質の貯蔵施設(次条において単に「貯蔵施設」という。)の場所であって、その場所における外部放射線に係る線量が主務大臣(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第60条第1項各号に掲げる受託貯蔵者の区分に応じ、当該各号に定める大臣をいう。以下同じ。)の定める線量を超え、空気中の放射性物質(空気又は水のうちに自然に含まれている放射性物質を除く。以下同じ。)の濃度が主務大臣の定める濃度を超え、又は放射性物質によって汚染された物の表面の放射性物質の密度が主務大臣の定める密度を超えるおそれのあるものをいう。
三
「周辺監視区域」とは、管理区域の周辺の区域であって、当該区域の外側のいかなる場所においてもその場所における線量が主務大臣の定める線量限度を超えるおそれのないものをいう。
四
「放射線業務従事者」とは、核燃料物質の貯蔵又はこれに付随する業務に従事する者であって、管理区域に立ち入るものをいう。
第2条
法第60条第1項に規定する核燃料物質の貯蔵の技術上の基準は、次の各号に掲げるとおりとする。ただし、受託貯蔵者で主務大臣の定めるものについては、第3号、第9号から第12号まで及び第14号の規定は、適用しない。
一
核燃料物質の貯蔵は、貯蔵施設において行うこと。
二
貯蔵施設の目につきやすい場所に、貯蔵上の注意事項を掲示すること。
三
貯蔵施設には、核燃料物質を搬出入する場合その他特に必要がある場合を除き、施錠又は立入制限の措置を採ること。
四
六ふつ化ウランの貯蔵は、六ふつ化ウランが漏えいするおそれがない構造の容器に封入して行うこと。
五
プルトニウム又はその化合物の貯蔵は、プルトニウム又はその化合物が漏えいするおそれがない構造の容器に封入して行うこと。ただし、グローブボックスその他の気密設備の内部において貯蔵を行う場合その他プルトニウム又はその化合物が漏えいするおそれがない場合は、この限りでない。
六
管理区域を設定し、かつ、当該区域においては、次の措置を講ずること。
イ 壁、さく等の区画物によって区画するほか、標識を設けることによって明らかに他の場所と区別し、かつ、放射線業務従事者以外の者が当該区域に立ち入る場合は、放射線業務従事者の指示に従わせること。
ロ 放射性物質を経口摂取するおそれのある場所での飲食及び喫煙を禁止すること。
ハ 床、壁その他人の触れるおそれのある物であって放射性物質によって汚染されたものの表面の放射性物質の密度が主務大臣の定める表面密度限度を超えないようにすること。
ニ 管理区域から人が退去し、又は物品を持ち出そうとする場合には、その者の身体及び衣服、履物等身体に着用している物並びにその持ち出そうとする物品(その物品を容器に入れ又は包装した場合には、その容器又は包装)の表面の放射性物質の密度がハの表面密度限度の十分の一を超えないようにすること。
七
周辺監視区域を設定し、かつ、当該区域においては、次の措置を講ずること。
イ 人の居住を禁止すること。
ロ 境界にさく又は標識を設ける等の方法によって周辺監視区域に業務上立ち入る者以外の者の立入りを制限すること。ただし、当該区域に人が立ち入るおそれのないことが明らかな場合は、この限りでない。
八
放射線業務従事者の線量等については、次の措置を講ずること。
イ 放射線業務従事者の線量が主務大臣の定める線量限度を超えないようにすること。
ロ 放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度が主務大臣の定める濃度限度を超えないようにすること。
九
管理区域及び周辺監視区域における線量当量率並びに管理区域における放射性物質による汚染の状況の測定は、これらを知るために最も適した箇所において、かつ、放射線測定器を用いて行うこと。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこれらの値を算出することができる。
十
放射線業務従事者の線量当量の測定は、次に定めるところにより行うこと。
イ 外部放射線に被ばくすることによる線量当量の測定は、これを知るために最も適した人体部位について、放射線測定器を用いて測定すること。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合にあっては、計算によってこの値を算出することとする。
ロ イの測定は、管理区域に立ち入っている間継続して行うこと。
ハ 人体内部に摂取した放射性物質からの放射線に被ばくすることによる線量当量の測定は、主務大臣の定めるところにより、放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある場合に行うこと。
十一
放射性物質による人体及び人体に着用している物の表面の汚染の状況の測定は、放射性物質によって汚染されるおそれのある人体部位の表面及び人体に着用している物の表面であって放射性物質によって汚染されるおそれのある部分について、放射線測定器を用いて行うこと。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこの値を算出することができる。
十二
前号の測定は、放射性物質を経口摂取するおそれのある場所において、当該場所から人が退出するときに行うこと。
十三
核燃料物質の貯蔵は、いかなる場合においても、核燃料物質が臨界に達するおそれのないように行うこと。
十四
換気設備、放射線測定器及び非常用設備は、常にこれらの機能を発揮できる状態に維持しておくこと。
2
前項の表第1号及び第2号の特定核燃料物質の防護のために必要な措置は、次の各号に掲げるものとする。
一
特定核燃料物質の防護のための区域(以下「防護区域」という。)を定め、当該防護区域を鉄筋コンクリート造りの障壁等の堅固な構造の障壁によって区画すること。
二
防護区域の周辺に、防護区域における特定核燃料物質の防護をより確実に行うための区域(以下「周辺防護区域」という。)を定め、当該周辺防護区域をさく等の障壁によって区画し、及び当該障壁の周辺に照明装置等の容易に人の侵入を確認することができる装置を設置すること。
三
見張人に、防護区域又は周辺防護区域への人の侵入を監視するための装置の有無並びに防護区域における特定核燃料物質の量及び取扱形態に応じ適切な方法により当該防護区域及び当該周辺防護区域を巡視させること。
四
防護区域及び周辺防護区域への人の立入りについては、次に掲げる措置を講ずること。
イ 業務上防護区域又は周辺防護区域に常時立ち入ろうとする者については、当該防護区域又は当該周辺防護区域への立入りの必要性を確認の上、当該者に当該立入りを認めたことを証明する書面等(以下この号において「証明書等」という。)を発行し、当該立入りの際に当該証明書等を所持させること。
ロ 防護区域又は周辺防護区域に立ち入ろうとする者(イに掲げる証明書等を所持する者(以下「常時立入者」という。)を除く。)については、その身分及び当該防護区域又は当該周辺防護区域への立入りの必要性を確認の上、当該者に証明書等を発行し、当該立入りの際に当該証明書等を所持させること。
ハ ロに掲げる証明書等を所持する者が防護区域に立ち入る場合は、当該防護区域内において常時立入者を同行させ、当該常時立入者に特定核燃料物質の防護のために必要な監督を行わせること。
五
防護区域及び周辺防護区域への業務用の車両以外の車両の立入りを禁止すること。ただし、防護区域又は周辺防護区域に立ち入ることが特に必要な車両であって、特定核燃料物質の防護上支障がないと認められるものについては、この限りでない。
六
防護区域及び周辺防護区域の出入口においては、次に掲げる措置を講ずること。ただし、イ又はロに掲げる点検については、これと同等以上の特定核燃料物質の防護のための措置を講ずる場合は、当該点検を省略することができる。
イ 特定核燃料物質の取扱いに対する妨害行為又は特定核燃料物質が置かれている施設若しくは特定核燃料物質の防護のために必要な設備若しくは装置に対する破壊行為の用に供され得る物品(持込みの必要性が認められるものを除く。)の持込み及び特定核燃料物質(持出しの必要性が認められるものを除く。)の持出しが行われないように点検を行うこと。
ロ 第4号ロに掲げる証明書等を所持する者が物品を防護区域に持ち込み又は防護区域から持ち出そうとする場合は、当該防護区域の出入口において、イの点検のほか、当該防護区域における特定核燃料物質の量及び取扱形態に応じ、金属を検知することができる装置及び特定核燃料物質を検知することができる装置を用いて点検を行うこと。
ハ 見張人に出入口を常時監視させること。ただし、出入口に施錠した場合は、当該出入口については、この限りでない。
七
特定核燃料物質の管理については、次に掲げる措置を講ずること。
イ 特定核燃料物質は、防護区域内に置くこと。
ロ 見張人に、人の侵入を監視するための装置を用いる等の方法により特定核燃料物質を常時監視させること。ただし、鉄筋コンクリート造りの施設等の堅固な構造の施設(以下この号及び第9号において単に「施設」という。)であって次に掲げる措置を講じたものの中に置かれている特定核燃料物質については、この限りでない。
(1) 施設の出入口に施錠すること。
(2) 施設に立ち入ることが特に必要な者であることを確認の上当該施設に立ち入ることを認めた者以外の者の当該施設への立入りを禁止すること。
(3) 見張人に、施設への人の侵入を監視するための装置の有無並びに施設における特定核燃料物質の量及び取扱形態に応じ適切な方法により当該施設の周辺を巡視させること。
ハ 特定核燃料物質の取扱いに従事する者に、その取扱いに係る特定核燃料物質又は設備若しくは装置に異常が認められた場合には、直ちに、その旨をあらかじめ指定した者に報告させること。
ニ 特定核燃料物質の取扱いに従事する者に、その日の作業の終了後に、その取扱いに係る特定核燃料物質並びに設備及び装置について点検を行わせ、当該点検において、当該特定核燃料物質又は設備若しくは装置について異常が認められた場合には直ちにその旨を、異常が認められない場合にはその旨を、あらかじめ指定した者に報告させること。
八
人の侵入を監視するための装置(以下この号において「監視装置」という。)を設置する場合は、次に掲げるところによること。
イ 監視装置は、人の侵入を確実に検知して速やかに表示する機能を有するものであること。
ロ 特定核燃料物質の防護上重要な監視装置には、非常用電源設備を備える等イの機能を常に維持するための措置を講ずること。
ハ 監視装置を構成する装置であって人の侵入を表示するものは、防護区域内若しくは周辺防護区域内又は周辺防護区域の近くであって見張人が常時監視できる位置に設置すること。
九
防護区域若しくは周辺防護区域又は施設の出入口に施錠する場合は、次に掲げる措置を講ずること。
イ かぎ及び錠については、取替え又は構造の変更を行う等複製が困難となるようにすること。
ロ かぎ又は錠について不審な点が認められた場合には、速やかに取替え又は構造の変更を行うこと。
ハ かぎを管理する者としてあらかじめ指定した者にそのかぎを厳重に管理させ、当該者以外の者がそのかぎを取り扱うことを禁止すること。ただし、あらかじめそのかぎを一時的に取り扱うことを認めた者については、この限りでない。
十
特定核燃料物質の防護のために必要な設備及び装置については、点検及び保守を行い、その機能を維持すること。
十一
特定核燃料物質の防護のために必要な連絡に関し、次に掲げる措置を講ずること。
イ 見張りを行っている見張人と見張人の詰所との間における連絡を迅速かつ確実に行うことができるようにすること。
ロ 防護区域内及び周辺防護区域内に連絡のための設備を設置し、見張人の詰所への連絡を迅速かつ確実に行うことができるようにすること。
ハ 見張人の詰所から関係機関への連絡は、二以上の連絡手段により迅速かつ確実に行うことができるようにすること。
十二
特定核燃料物質の防護のために必要な措置に関する詳細な事項は、当該事項を知る必要があると認められる者以外の者に知られることがないようにすること。
十三
従業者に対し、その職務の内容に応じて特定核燃料物質の防護のために必要な教育及び訓練を行うこと。
十四
特定核燃料物質の防護のために必要な体制を整備すること。
十五
特定核燃料物質の盗取、特定核燃料物質の取扱いに対する妨害行為若しくは特定核燃料物質が置かれている施設若しくは特定核燃料物質の防護のために必要な設備若しくは装置に対する破壊行為が行われるおそれがあり、又は行われた場合において迅速かつ確実に対応できるように適切な計画を作成すること。
4
第1項の表第7号から第9号までの特定核燃料物質の防護のために必要な措置については、次の各号に掲げるもののほか、第2項第3号から第5号まで(第4号ハを除く。)、同項第7号(同号ロを除く。)、同項第8号(同号ロ及びハを除く。)及び同項第10号から第15号まで(第11号イ及びロを除く。)の規定を準用する。この場合において、同項第3号中「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域及び当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第4号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、「当該防護区域又は当該周辺防護区域」とあるのは「当該防護区域」と、同項第5号中「防護区域及び周辺防護区域」とあり、及び「防護区域又は周辺防護区域」とあるのは「防護区域」と、同項第11号中「二以上の連絡手段により迅速」とあるのは「迅速」と読み替えるものとする。
一
防護区域を定めること。
二
見張人に防護区域の出入口を常時監視させること。ただし、出入口に施錠した場合は、当該出入口については、この限りでない。
三
特定核燃料物質が貯蔵されている施設(以下この号において「貯蔵施設」という。)については、次に掲げる措置を講ずること。
イ 貯蔵施設に立ち入ることが特に必要な者であることを確認の上当該貯蔵施設に立ち入ることを認めた者以外の者の当該貯蔵施設への立入りを禁止すること。
ロ 見張人に、貯蔵施設への人の侵入を監視するための装置の有無並びに貯蔵施設における特定核燃料物質の量及び取扱形態に応じ適切な方法により当該貯蔵施設の周辺を巡視させること。
第4条
法第64条第1項の規定により、受託貯蔵者は、次の各号に掲げる応急の措置を採らなければならない。
一
核燃料物質の貯蔵施設に火災が起こり、又は核燃料物質の貯蔵施設に延焼するおそれがある場合には、消火又は延焼の防止に努めるとともに直ちにその旨を消防吏員に通報すること。
二
核燃料物質を他の場所に移す余裕がある場合には、必要に応じてこれを安全な場所に移し、その場所の周囲には縄を張り、又は標識等を設け、及び見張人を配置することにより、関係者以外の者が立ち入ることを禁止すること。
三
放射線障害の発生を防止するため必要がある場合には、核燃料物質の貯蔵施設の内部にいる者及び付近にいる者に避難するよう警告すること。
四
核燃料物質による汚染が生じた場合には、速やかに、その広がりの防止及び汚染の除去を行うこと。
五
放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者がいる場合には、速やかに救出し、避難させる等緊急の措置を講ずること。
六
その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。